『メシ喰うな!』曲解説


1.フェイド・アウト(詞・町田町蔵 曲・西川成子) 私は初めて『メシ喰うな!』を聴いたとき当然この曲を聴いたわけですが、 意外にもこのポップな感じに肩透かしを食らった感じがしました。 また町田町蔵の声ってこんな感じなのかと思いました。 友人曰く「ビジュアル系っぽい」それはつまり、泣きそうな声って事なんでしょうが、 じきにハマってしまいます。歌詞は分かりやすい。 2.つるつるの壺(詞・町田町蔵 曲・北田昌宏) 一変してパンク調な歌詞。 「写真屋のおっさんの石で刻み込まれたようなしわ 俺はあなたが愛おしい糞まみれにしてくれ」 という出だしに圧倒されてしまいます。曲も詞もかなり好き。 「どいつもきつもヤバイ状態するするすんすん」という歌詞は何度聴いても良い。 するするすんすんって何だ?(笑) つるつるの壺というタイトルも謎。 小学二年生のとき町蔵は壺にハマッたらしく、それと関係があるかも知れません。 あと、町蔵の落語好きも有名ですね。「つるつる」っていう落語がありますが それと壺を合わせてみた? その辺の事情がご存知の方いましたら教えてください。 そういえば町田康が同名のタイトルの小説を書いていました。 3.おっさんとおばはん(詞・町田町蔵 曲・西川成子) 「地下鉄の中で滅茶苦茶腹立つおっさんとおばはん」 よほど地下鉄で嫌な事があったのでしょうか。確かに電車内ではイライラさせられることが多いですね。 特に最近の若者の電車内でのマナーときたら・・・(以下略 「おまえらと一緒にすな、このたにし!」 “たにし”って!(笑) 4.ダムダム弾(詞・町田町蔵 曲・西川成子) 「日本の歴史は犯罪 血まみれの豚が今でもくさって腹立つ」 「日本の歴史は血ぬられた犯罪 俺はそれを高校で習うた」 新しい歴史教科書を作る会の人が読んだら怒りそうな歌詞です。 とくに自虐史観批判で有名な藤岡信勝センセイあたりが。 まぁ、町蔵がどこまで本気で言っているのかは分かりませんが、歴史が大好きだったことは有名で、 小学3年生のころに日本の歴史を子供向けの小説にした全12巻の通史を何度も繰り返して読んで 5年生で歴史の授業が始まった時には、相当の知識があったそうです。 「藤原京の遷都が挫折したのはなぜかというテストに詳しい答えを書いてみたり。」 など、町田康自身が日刊スポーツのインタビューに答えています。 5.夢の中へ(詞・曲、町田町蔵) 音も歌詞もなんだか夢の中へ引きずりこまれるような曲。 6.メシ喰うな(詞・曲、町田町蔵) 町蔵の叫びです。CDに付属していた解説にもありましたがギターの音が琵琶法師の奏でる琵琶のようです。 パンク天国4に掲載されていた故・林直人さんのインタビュー記事の中で林さんは 「“メシ喰うな”も聴く側がイメージを重くしているだけで、おそらく彼(町田)のことやからきっかけは  パンクはパン食うやからメシは喰うなみたいな他愛ない発想やったんやないかな。  歌を作るときもまず理想の土台を考え抜いて固めた上で、   そういう思い付きをことばにしていく。で突っ込まれたらガッと行く。昔からやね。」 と言っています。なるほど、「メシ喰うな」に深い意味はないんですね。 7.ライト・サイダーB(スカッと地獄)(詞・町田町蔵 曲・北田昌宏) 不思議なスピード感のある曲です。本当にサイダーのような爽快感があります。 ところでライト・サイダーとはなんでしょう。一部では「右翼」を意味する町蔵の造語と云われています。 「sider」で「〜側の人」という意味でしょうか(実際にはそんな単語は無い)。 そのサイダーと飲み物のサイダー(cider)を掛けているということですね。 曲の最後の方で歌詞カードに記載されていないセリフを町蔵が長々と呟くのですが、 なんと云っているのか解読してみるのも楽しいかもしれません。 8.インロウタキン(詞・町田町蔵 曲・北田昌宏) インロウタキンとは大阪の寺田町交差点附近にある家庭用品会社の商標「金太郎印」を逆さ読みした造語。 インロウタキン自体になんの意味もありません。 この会社は現存しており、今では関西のパンクの名所となっているそうです。(『パンク天国4』より) 「頭の禿げたおっさんに買われて唾をかけられて」という歌詞がありますが、どういうシュチュエーションなのか想像がつきません(笑) 9.305(詞・町田町蔵 曲・北田昌宏) 最後の「石炭まみれの305」というフレーズが無性に好きなこの曲。 「305」の意味についてですが、かつて2ちゃんねるで 「305」はたしかベースのねーちゃんと初めてやったホテルの部屋番号 という書き込みがありましたが、どうもマユツバものです。 本当の意味、御存知の方いらっしゃいましたら御一報くださいまし。 10.メリーゴーラウンド(詞曲・町田町蔵) よく聴いていないと歌詞がわからない曲。 演奏の奥で呟いているような曲です。 後半になるにつれ声が大きくなり、 最後に繰り返される「まったく良い加減な現実」というフレーズがやけに耳に残ります。 11.気い狂て(詞・町田町蔵 曲・北田昌宏) 歌詞が良いです。 真に町蔵の本領発揮といったところ。 「簡単に物が在って 簡単に手に入らない 手に入ったところで おまえのものにはなりえない」 哲学的ですね。 「まんじゅう屋のおっさんも さすがに今日は憂鬱げ」 “まんじゅう屋のおっさん”という歌詞がいかにも町蔵らしい。

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